第53回南魚沼美術展

第53回南魚沼美術展覧会(南魚展)の書道部門審査員として審査に行ってきました。

 歴史ある南魚展の審査を担当させていただき光栄に思っております。関係者皆様に感謝申し上げたいと思います。
 書の部門は漢字、仮名、漢字仮名交じりなど多岐に渡ります。受賞作品は書風が片寄ることの無いように選出しました。南雲さんの「聞」の一字は、一席に相応しい大陸的なダイナミックさで墨色も美しく独自なテイストを感じました。二席の平賀さんの作は、線質の新鮮さと全体からにじみ出ている今後の流行を担うような爽やかな作品でした。作品化のため少々字形の不安定さが心にのこりましたが、それを凌駕するだけのグラマラスな作品でした。自作を書作品として表現したことも素晴らしいことと感じました。
奨励賞の三点の中では倉部さんの「立」が印象に残りました。顔真卿を観るような深く鋒先を蔵した厚みのある線で、含蓄ある立体的な作品でした。飛翔する墨魂がエッジーで、クールでした。
 出品者の皆さんが見守る中での公開審査のため少々緊張しましたが、書道部門の先生方の協力のお陰で良い審査ができたと思います。ご関係者の益々のご精進を祈念申し上げ審査講評といたします。ありがとうございました。

同展は、9月9日(木)〜12日(日)まで、南魚沼市坂戸のディスポート南魚沼で開催されています。